映画のある家
お気に入りの映画紹介

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |

グラディエーター

2000年米映画 監督リドリー・スコット 主演ラッセル・クロウ
古代ローマ五賢帝時代の終焉のひとつのエピソードと言える。
哲人皇帝の誉れ高いマルクス・アウレリウスだが、不肖の実子コンモドゥスを後継者にしたことが唯一の汚点のように言われている。この映画のストーリーはそこに起点を置き、アウレリウスが実はアエリウス・マキシマスという高潔にして歴戦の勇者である将軍を後継者に決めていた、というフィクションを作り上げた。
ストーリーは自分の父であるアウレリウスばかりでなく、部下の兵士に民衆、あるいは元老院からまでも愛されるマキシマスに対するコンモドゥスの嫉妬を中心に組み立てられていく。
父アウレリウスを殺害、皇帝の座に就いたコンモドゥスはすぐさまマキシマスの故郷に兵を走らせ、妻と息子を殺害し、家を焼き払う。また、マキシマスを反逆者として追放する。
しかし、愚帝コンモドゥスの思惑に逆らい、コンモドゥスの姉ルシラがマキシマスを救いコンモドゥス体制の崩壊を目論む。ルシラは姉であったがコンモドゥスから近親相姦的な屈折した愛を求められていた。
最終的に、マキシマスはコンモドゥスと刺し違える形で死ぬ。グラディエーターの題名とおり、闘技場で剣闘士として。
ローマ五賢帝時代の最後の皇帝マルクス・アウレリウスはストア派哲学者でもあった。ストア派はストイックの語源になっただけあり、自己を厳しく律するに、自然をありのまま受け容れる忍耐を示している。
高潔にして勇者、禁欲的で犠牲的なヒーロー・マキシマスはマルクス・アウレリウスが著した「自省録」がヒーローとして登場したかのようだ。
『明けがたに起きにくいときには、つぎの思いを念頭に用意しておくがよい。「人間のつとめを果たすために私は起きるのだ」』(自省録より)
映画の冒頭、そしてマキシマスが運命に翻弄される度、マキシマスの回想シーンが登場する。それは村を隔てる大きな石壁のドアを開け、青々と伸びる麦の波の中を歩くマキシマス。その視線の向こうにはもくもくと、しかし楽しそうに農作業をする妻と息子がいる。父の帰りと平穏な日々の到来を、微塵も疑わないような幸せな笑顔。そしてエンディングシーン、闘技場で生き絶えようとするマキシマスの目に再び妻子の待つ麦畑が蘇る。ふと自分に気付く妻子。笑顔で走り寄る息子。遂に達しえなかった幸福な家に、ようやく辿り着いたのだ。
スポンサーサイト
【2005/05/18 15:12】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |

地獄の黙示録

1979年米映画 監督フランシス・フォード・コッポラ 主演マーロン・ブランド、マーチン・シーン
ジョゼフ・コンラッドの名作「闇の奥」の映画化。かのオーソン・ウエルズが映画化を検討したが、断念せざるをえなかったほど難解な作品だ。未開なものに対する文明人の恐怖と、恐怖が生み出す殺戮(さつりく)、殺戮が生み出す恐怖、と人間の奥底に秘める狂気の連鎖が描かれている、などと簡単に説明できる代物ではない。おそらくは我こそが文明人と名乗る白人社会の人間で無ければ本質は到底理解出来ないのではないか、と思われるほどの焦燥感が全編に漂っている。
それは奇才ジョン・ミリアスがアクション作品としての脚本を仕上げたにも係わらず、である。
ベトナム戦争の最中、ベトコンが支配するジャングルの奥地に独自の帝国を築き上げたカーツ大佐。歴戦の勇士であり天才的軍人である彼は、その帝国を根城に虐殺の限りを尽くしているという。彼が軍から離れた理由は何か?その謎の解明と暗殺の使命を帯び、ウイラード大尉はメコン川を登る。
遂に辿り着いた時、ウイラードの前に現れたのは虐殺者とは程遠い哲学者のような面持ちのカーツだった。
夥(おびただ)しい数の髑髏(しゃれこうべ)に囲まれたカーツの住まいは、住まいというより砦(とりで)に近い。未開との戦闘に常に備えたねぐらと言える。
映画とは別に小説も紹介する。
文庫本にして二百ページに満たない短い小説はしかし人間の恐怖と狂気のスパイラルが渦巻いている。未開の恐怖と、文明の狂気が実は表裏一体なのではいか、というのが傍観者としての感想だ。あまりに有名な作品であるから読まれた方も多いと思うのでストーリーは割愛する。ただこの作品から感じるのはアフリカが暗黒大陸と言われた時代から世界は大して変わっていないということだ。現代の、自由と民主主義を旗印にした戦争そして経済のグローバリゼーションは恐怖と狂気の連鎖しか生み出していないかに見えるのだが。映画化にあたってコッポラが付けた「Apocalypse Now」(直訳すると現代の黙示録)という題名は今日にこそ通ずる言葉かもしれない。
【2005/05/18 10:27】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |

PROFILE

TSUTAYA online
04 | 2005/05 | 06
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

ARCHIVES

CATEGORY

LINKS

SEARCH

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。