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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲

2001年東宝作品 監督:原恵一 主演:矢島晶子(野原しんのすけ)

翌年公開された「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞、原恵一監督はクレヨンしんちゃんシリーズから離れることとなった。


「オトナ帝国の逆襲」と併せ、大人も楽しめるアニメーションづくりに成功した、と思われたが、一方で大人しか楽しめないアニメという受け取られ方をしたのか?いずれにせよ原監督がこのシリーズから離れたことには多くのファンが少なからずショックを受けたものだ。


「殺しの烙印」の公開後、鈴木清順監督が日活をクビになったことを思い出すファンも多いかもしれない。日活の役員から「わけの分からない映画」のレッテルを貼られクビにされたのだ。今日見れば「殺しの烙印」は間違いなく名作であるというのに。


その解雇がもたらした影響は明白だ。鈴木監督の首によって日活はニューアクション路線が尻すぼみになったといえよう。また、ツゴイネルワイゼンの製作までの約15年間、鈴木監督がメガホンを取らなかった代償は日本映画全体が払ってしまった、とも言える。


原監督のクレヨンしんちゃんシリーズ離脱も、遠い先の或る時代に同じように語られるような気がしてならない。


「オトナ帝国の逆襲」は今日、もう一つ違う視点で語らねばならない。大人帝国は高度経済成長あるいは工業化社会を指す。バブル崩壊も、リストラも、賃下げも、年功序列の崩壊も、或いはIT長者の登場も無い。平和で誰もが平等に幸せを分かち合える日々だ。


自由競争による弱肉強食、弱者淘汰といった殺伐とした現代から見ればユートピアのような世界である。多分、今より貧しかった筈だが、昨日より今日、今日より明日の方がより良くなる、と誰もが信じていた。


そんな世界に移り住みたいと願うのは、父ひろしを始めとする映画の中の大人たちだけではない。


しかし映画の最後でひろし達大人は、しんちゃんによって現実の世界に引き戻される。賢いしんちゃんは、その世界に居た方が大人たちは幸せなのだということを理解している。それでもしんちゃんは、彼らを現実に引き戻す。自分の行為の残酷さに涙を流しながら。


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【2005/05/31 22:06】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(4) |

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