主人公・マチェック。いるんだよね、こういう人。それも優秀、特に能力が高い、という意味で優秀な人に多い。
子供の頃から何でも出来て、いつもテストは100点、サッカー大会ではいつもエースFW、人柄も良くて、格好も良い、女子生徒の憧れなんだけど人格も高いからお高く止まるなんてことはない。いつも控えめで、余計なことは言わない。質素で決して目立とうなんてしない。見栄を張るとか、自分を虚飾するなんて考えも及ばない。そしていつもみんなに優しくい。
多分、マチェックはそんな子供に生まれついたに違いない。
しかし、そんな個人なんて社会の大波には簡単に飲まれてしまう。マチェックは多分、みんなのために反ナチスレジスタンス運動に身を投じ、殺し屋になったに違いない。そうして優秀なマチェックは、殺し屋としてエース級の働きをしただろう。
しかしマチェックは控えめだ。何故なら人格が高いから。自ら地位を要求するなんて下衆なことはしない。それどころか地位なんてどうでもいい。その結果、ナチスが倒れてもマチェックは殺し屋のままだ。
何故?って。ナチスが倒れても、次に誰が政権を獲るかっていう争いが残されてるから。権力者がマチェックのような優秀な殺し屋を手放す筈は無い。
第二次大戦が終わったと思ったら、今度は反共産党地下運動に入れられる。そしてソ連系共産党地区委員長(労働者党書記)シチュカ暗殺を命じられる。
時代が悪かった。世界中、狂った指導者ばかり。狂ってたのはヒトラーだけじゃなかった。その中で、マチェックはぼろ雑巾のように使い捨てられてしまった。
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