1983年英国映画 監督:ヒュー・ハドソン 主演:クリストファー・ランバート
エドガー・ライス・バローズの「類人猿ターザン」(1912年)を最も忠実に映画化したターザン映画と言われる。ヒーローというより一人の人間としての苦悩を描いた作品。
ターザン映画というとジョニー・ワイズミューラーのような健康優良児をイメージする。ワイズミューラーはオリンピックのパリ大会、アムステルダム大会の水泳で活躍、金メダルを五個も取った選手。野性的な肉体美でターザンのイメージを作り上げた俳優だ。
しかし、「グレイストーク ターザンの伝説」のターザン、クリストファー・ランバートはどう見ても健康優良児には見えない。この映画のために筋肉トレを行ったらしく、ボディビルダー並みの肉体ではあったが、肉体美とは言いがたい。むしろその筋肉の凹凸は、貴族の赤子が苦闘の末にジャングルで生き抜いてきた歴史を刻むかのようだ。
またこのターザンは「あ〜ああ〜」とは言わない。寡黙で、人間としての自分と野生の一部である自分の狭間で苦悩する。
殊に、スコットランドに渡ってから訪れた、幸福の日々と愛するものを失った悲しみの落差に苦悶する彼は哲学的ですらある。精神的は間違いなく鬱状態で、健康優良児などとは対極の位置に居る。
ラストシーンで恋人とおじさん(?)が見守る中、ジャングルの中へターザンが消えていく美しい映像はヒュー・ハドソン監督の代表作「炎のランナー」を上回るほど。
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